
こんにちは。
今回は、社会現象ともいえる大ヒット作となった漫画「鬼滅の刃」を紹介します。
目次
「鬼滅の刃」はどんな漫画?
「鬼滅の刃」は、吾峠呼世晴先生によるバトル・アクション漫画です。
『週間少年ジャンプ』(集英社)に2016年2月から2020年5月まで連載されました。
2019年4月に制作会社ufotableによりアニメ化され、美しい映像とストーリーの秀逸さから大ヒットしました。アニメの続きを観たいと、漫画を買う人が殺到し、売り切れ続出となりました。コミックの売り上げは1億部を突破しています。
2020年10月には映画「鬼滅の刃 無限列車編」が公開され、1ヶ月で興行収入230億円を超え、歴代5位の大ヒットを記録しています。
「鬼滅の刃」のあらすじ
時は大正。心優しい炭焼きの少年炭治郎は、ある日、炭を売りに行っている間に家族を鬼に斬殺されてしまう。そして、たった一人生き残った妹の禰豆子は、鬼になっていた・・・。
絶望に震える炭治郎、しかし、普通なら理性なく人を襲うはずの鬼である禰豆子は炭治郎をかばった。炭治郎は禰豆子を元に戻す方法を見つけることを心に誓う。そして鬼に近づくため、鬼狩りの組織「鬼殺隊」の一員となり、鬼と闘う道を歩き出す。
「鬼滅の刃」の登場人物
- 竈門 炭治郎(かまど たんじろう)
- 竈門 禰豆子(かまど ねずこ)
- 我妻 善逸(あがつま ぜんいつ)
- 嘴平 伊之助(はしびら いのすけ)
- 冨岡 義勇(とみおか ぎゆう)
- 鱗滝 左近次(うろこだき さこんじ)
主人公。5人兄弟の長男で優しいお兄ちゃん。代々続く耳飾りをつけている。禰豆子を助けたい一心で、鬼に近づくため鬼殺隊の一員となる。
炭治郎の妹。鬼になってしまったが、かろうじて理性をとどめている。鬼でありながら、炭治郎とともに鬼と戦う。
炭治郎と鬼殺隊の同期。雷の呼吸を使う。普段は臆病で怖がりだが、気を失った時に真の強さを発揮する。禰豆子が好き。
炭治郎と鬼殺隊の同期。獣の呼吸を使う。とある事情からイノシシに育てられ、イノシシの面をかぶっている。天ぷらが好き。
鬼殺隊のトップ9人(柱)のうちの一人、水の呼吸を使いこなす水柱。鬼である禰豆子を殺そうとやってきたが、他の鬼とは違い人間を守る禰豆子に希望を見出し逃がす。
元鬼殺隊で水柱だった老人。天狗の面をかぶっている。炭治郎に剣技や体の使い方を教えてくれた師匠であり、何かと炭治郎と禰豆子を支えてくれる存在。
「鬼滅の刃」のみどころ
炭治郎の人柄が素晴らしい
「鬼滅の刃」は、鬼との闘いをテーマとした哀しいストーリですが、そこに彩りをそえているのが炭治郎の人柄ではないかと思います。炭治郎の「慈悲深さ」と「折れない心」、この二つが作品の重要な要素になっています。
まず、炭治郎の優しくて慈悲深い心は、仲間の閉ざされていた心を開かせるだけでなく、死の間際にある鬼たちをも哀しい人生から救います。
炭治郎は、鬼に対して言った言葉はこちら。
鬼であることに苦しみ 自らの行いを悔いている者を踏みつけにはしない
鬼は人間だったんだから 俺と同じ人間だったんだから
醜い化け物なんかじゃない 鬼は虚しい生き物だ 悲しい生き物だ
鬼にならざるをえなかったその苦しみを理解し、寄り添ってあげる炭治郎の慈悲深い心・・・。善逸も、「炭治郎からは泣きたくなるような優しい音がする」と言うように、私たち読者も心が洗われるような気持ちになります。
そして、炭治郎は慈悲深い優しい心と同時に、どんなに恐ろしい鬼を前にしても折れない心を持っています。
炭治郎が辛い時に自分に言った言葉。
俺は長男だから我慢できたけど 次男だったら我慢できなかった
頑張れ炭治郎頑張れ!!
俺は今までよくやってきた!!
俺はできる奴だ!!そして今日も!!これからも!!折れていても!!
俺が挫けることは絶対に無い!!
こんな風に自らを鼓舞する強い心は、大人も子どもも見習いたいところですね。
単なる悪者として終わらない!鬼の哀しいストーリー
「鬼滅の刃」の特徴的なところは、鬼を単なる悪者としてではなく、哀しい人生の末に鬼となってしまった元人間だというストーリーを一人一人丁寧に描いているところではないかと思います。
貧しさゆえ、大切な人を亡くしてしまった悲しみゆえ、虐げられた過去の辛さゆえ、原因は様々ですが、鬼にならざるをえなかった哀しい人生・・・。鬼が単なる悪者ではなく不幸な人間だったのだと分かり、憎みきれない気持ちになります。
人間だった頃のことを忘れてしまっていても、死の間際に人間だった頃のことを思い出す鬼たち。自分が鬼になった理由や、鬼になってまでしがみつきたかったものなど、大切だった記憶を思い出します。
鬼たちまでも救う「鬼滅の刃」は、哀しいけれどとても優しい物語であると言えます。
小さな子どもには注意が必要?!
子どもたちにも大人気の「鬼滅の刃」ですが、映画版は「PG12」指定されているように、鬼が人間を殺戮するシーンや、鬼を倒すために鬼の首を切るシーンなど残虐なシーンが出てきます。(「PG12」とは小学生以下には保護者の助言・指導が必要だという指標です。)
子どもはまだ心がが未発達で、現実とフィクションの区別がつかなかったり、思った以上に刺激や影響を受けやすい状態にあります。保護者が作品を理解した上で見せるかどうかを吟味し、見せる場合は様子を見守りながら、一緒に読んだり、作品について話しあったりするのが良いと思います。
炭治郎の心の清らかさや前向きな気持ち、あきらめない心の強さなどはしっかり感じとってもらい、殺戮シーンなどはフィクションであることをしっかり大人が伝えていきましょう。